アジアな空間

日常の出来事や、アジアに関することを書き綴ります。

アジアな空間 その19 「くぎ煮」の巻

 毎年この時期になると、管理人の家には「くぎ煮」なるものが送られてきます。イカナゴの佃煮です。伯母が大量にイカナゴを買って、親戚みんなの分を炊くのです。伯母が住む地域では、この時期になると、どの家でもみんな一斉にイカナゴを買い込んで、家々ごとにくぎ煮を作るのだそうです。イカナゴも、魚屋に30分以上は並んで買うのだそうです。

 手作りゆえ、毎年味つけや硬さが微妙に違います。今年のは、ちょっと醤油が濃い感じがします。

 毎年このくぎ煮が届くと、春を実感します。日本は、季節ごとに風味豊かな味わいを楽しむことができ、これが人間を育てるのに、大きな役割を果たしていると思います。

 味と物の考え方、言葉の表現の奥行きは、一見別々のもののように思いますが、本当は深く関わりがあると確信しています。