アジアな空間

日常の出来事や、アジアに関することを書き綴ります。

アジアな空間 その383 NHK総合1・東京 宮沢賢治の音楽会 の巻

 今日は朝からとても優雅な気分を満喫しました。朝9時から放送されたNHK総合1・東京「宮沢賢治の音楽会」という番組を観ました。

 宮沢賢治という人は、あまりにも有名な人物で、また、3・11の時にはテレビで何度も放送された雨ニモマケズの詩が有名です。

 でも、宮沢賢治の世界は、雨ニモマケズだけではなく、もっともっと壮大な世界観や宇宙観に満ちあふれたものだと、今朝の番組を観ながらあらためて感じさせられました。

 健治の生家は裕福だったようですが、しかし、管理人が描く健治の像は、裕福さゆえの傲慢さとは無縁の地味で謙虚な健治その人です。

 番組に登場してきた岩手の自然の風景は、都会生活者にとってはあまりにも贅沢な空間です。以前、何かの調査で子供を育てるのに適しているのは岩手県という結果が出ていましたが、あんなに優雅で贅沢な自然環境に囲まれて、そしてゆったりと流れる時間空間は、人を育ててくれそうな気がします。
 美しいだけではなく、寒く厳しく長い冬という季節を経なければならない気象条件もまた、人を強くするのだろうと思います。

 今年の初夏のころ、10代の子供たちと雨ニモマケズの詩を読み合わせして、内容の解釈を試みたことがあります。そのうちの1人の男の子は、
「冒頭の「雨にもまけず 風にもまけず」という書き出しは、あたかも自分がそうだと言っているように思えるけれど、実はその後に続く「雪にも夏の暑さにも負けぬ. 丈夫なからだをもち」というところを読むと、健治は自分が持っていないものと自分の弱さをここで宣言して、自分はこうありたいのだ、と最初に結論を述べているんだろうなぁ。。。」
と言いました。

 確かに、この詩では健治が望んでいる自分像を余すところなく表現しているように思います。

 管理人は10年ほど前に、この詩をインドネシア語に訳したことがあります。それを読んだ日本語ができないインドネシア人が言いました。
「この作者はキリスト教の人?」
 そのインドネシア人には、この詩にはイエスの生き方が豊かに描かれているように感じたというのです。健治も外国人宣教師の影響を受けたといいますから、もしかしたらそのインドネシア人の印象は外れていないのかも。

 さて、今朝の番組に使われたロケ地の中で管理人がまだ行ってみたことがない場所は、岩手大学の農業教育資料館。いつか機会があったら、行ってみたいと思います。

 そうそう、管理人が銀河鉄道の夜を思うスポットは、いわて銀河鉄道沿線の好摩駅から岩手川口駅の間にある水田沿いのエリアです。もう30年以上も昔ですが、夜にこの沿線近くを車で通過した時に、真っ暗な空間に警笛を鳴らして通過する列車を見ました。列車の窓からあふれる灯りが、暗い夜の水田地帯にぽっかりと浮かび上がった幻想的な風景でした。なんだかそのまま空へのぼっていくのではないか?と錯覚させるような光景でした。

 今、あのエリアはどうなっているのかな?開発されて民家のあかりが増えているのかな?