アジアな空間

日常の出来事や、アジアに関することを書き綴ります。

アジアな空間 その532 国立故宮博物館 の巻

 台湾2日目の昨日は、昼前から故宮博物館へ行きました。実は、最近体調が優れず、朝ゆっくり起きて活動開始です。この1週間ほど喘息がひどくて咳が大変なのです。明け方になると発作が出て、1週間ほどよく寝られないのです。

 台北駅を出た時は太陽が暑く、気温が上がって蒸し暑い天気でした。昼頃に博物館に着くと、ちょっと曇り。団体客が結構来ていましたが、それでも空いているほうだと思いました。

 台湾の故宮博物館の代表格は、玉石の肉と白菜です。でも、管理人はもっと興味を持ち、心をひかれたものがありました。清朝の展示品です。清朝といえば、日本人にはなじみがある王朝ですが、なぜ中国の小さな民族が王朝を築けたのか?それは、満州族が他の民族のよいところをふんだんに受け入れたことにあるのだそうです。
 調度品はため息がでるものでした。やはり皇帝とはすごいものだと、今更ながらに感じました。贅沢のかぎりを極めたというのは言うまでもないのですが、ただの贅沢ではないことも感じさせるものでした。

 「人性中夕種極為底層、原始欲強烈的欲望、那就是擁有興収蔵。問題是、如何譲擁有的過程、永遠充満楽趣?譲収蔵的結果、不受限於空間?」
 
 多宝格の展示のところにあった説明の一部です。
「ものを所有する欲と収蔵する欲が人にはある。でもいかにそれを永く楽しむことができるようにするか?収蔵スペースにとらわれずにどう保管すべきか?」

 奥が深いと思いました。欲しいだけでものを集めても、飽きてしまい、また邪魔になってしまい、永く大切にすることができないのも人間の常。ものが溢れる現代に、この説明は何か問題提起をしているかのようです。

 のんびり展示をみた後、館内の喫茶室で休憩。帰る前に建物の写真を撮ろうと外にでると、大雨。スコールのような雨。無理です(涙)。写真を諦めて帰ることにしました。

 博物館にはタクシーを呼んでくれるカウンターがあり、行き先を告げるとオーダーシートに記入し、タクシーを呼んでくれます。ここにも、初老の男性と女性、そして若いスタッフが常駐し、観光客の接客をしていました。
「士林駅に行きたいのですが。」
というと、初老の男性は、
「シーリン駅ですね。今からタクシーを呼びます。番号はこれです。2分くらいで来ます。準備はもうOKですか?」
と優しく流暢な日本語で対応してくださいました。

 台湾という国は、そこかしこに日本を感じさせるものがあります。