アジアな空間

日常の出来事や、アジアに関することを書き綴ります。

アジアな空間 その1130 タイアル族です の巻

 今日、ホテルから乗ったタクシーの運転手。管理人を台湾人だと思って話しかけてきました。
「どちらへ・・・?」

 日本人だとわかると、自分の身の上を話し始めました。

「私は高砂族、タイアルですよ。宜蘭の出身。宜蘭は高砂族が多いです。山の民族だから強いですよ。昔、戦争たくさん死んだ。でも、もともとは一番人間多いのは高砂です。私たちの婆さん、日本語話せます。でも中国語はできない、下手。日本の時、日本の学校。私、二回日本行きましたよ。大阪、名古屋。東京、まだ行ってない。タイアル、強いです。」
 ひたすら自分の民族の誇りを語ってくれました。でも、嫌味がない、穏やかな口調には好感が持てます。

 この運転手さんの話しでは、子供の頃、家庭では両親がタイアル族の言語と日本語を混ぜて使っていたため、自分たち子供も日本語には慣れ親しんで育ったそうです。高砂族と言っても居住する集落が違うと言語も異なり、日本語を介して意思の疎通を図っているケースもあった、とか。

 昔、本で読んだことがありますが、台湾には原住民がいて、言語もそれぞれに違うことは知っていました。でも、今まで直にそういう方と知り合う機会がなかったので、今日はまた新しい出会いがありました。

 数年前、台湾の東海岸地域を通った時、西海岸地域ではあまり目にしない集落や部族の印?と思われるポールや像をよく見かけました。そして、キリスト教会やその信者さんたちのお墓も目立ったような記憶があります。

 小さい国「中華民国」ですが、複数の民族が共生するという意味では、日本と違う点かもしれません。総じて、台湾の方は、親切でよく面倒を見てくれるような気がします。
 昨日も、重たいスーツケースを持って電車に乗ろうとしたら、乗客の女性がさっと飛んできて、段差のある車両の前で、管理人のスーツケースを持ち上げてくれました。駅員も、後方から「ゆっくり、ゆっくり」とサポート。
 日本はもてなしの国と言いますが、この台湾もそれに似た文化があると思います。