アジアな空間

日常の出来事や、アジアに関することを書き綴ります。

アジアな空間 その680 インドネシアのテレビコマーシャルに見る春節 の巻

 インドネシアは世界最大の華僑・華人を抱える国ということは、案外知られていないかもしれません。そもそも人口が2億5000万ほどと言われる大国で、そこにわずか数パーセントの中国系市民がいるとしても、その数は大きなもの。

 スハルト時代には、様々なかっこうで中国系市民への区別と差別をしてきた事実は否定できないでしょう。スハルト政権崩壊後、中国系市民に対する国の対応にじょじょに変化が見られるようになりました。

 インドネシアは面白い国です。中華街があっても漢字をいっさい見ることができない中華街。若い世代にいたっては、聞き覚えの中国語風な言葉が話せるものの、読み書きが十分にできない人が多い。スハルト時代は、中国語の使用を禁止したためです。

 中国との国交が正常化し、旧正月も国定休日に組み込まれ、中国語の使用もできるようになった今、テレビでは中国語によるニュースが流れたり、中国語の新聞も見かけるようになりました。

 2013年の春節は2月10日。これに向けて、民放はコマーシャルで企業の春節の特別コマーシャルを流しています。銀行、マスコミなど、中国語で新年の挨拶を流したり、インドネシアのさまざまな民族衣装をまとった人々による春節の挨拶など、さまざまな工夫が見られます。

 インドネシアにおける中国資本の企業も目立つようになりました。人も物も勢いよくインドネシアへ流れ込んでいるように思います。

 イ中関係が今後どうなるのか、また、市民レベルでは中国系市民と非中国系市民の関係が、今後銅片かしていくのか、興味深く観察したいと思います。