アジアな空間

日常の出来事や、アジアに関することを書き綴ります。

アジアな空間 その135 日本のいちばん長い夏〜いま語り継ぐ戦争体験〜 の巻

 午後、NHKで「日本のいちばん長い夏〜いま語り継ぐ戦争体験〜」という番組をやっていました。残念ながら、観たのはもうほとんど終わりのあたり。

 毎年8月が近づくと、第二次世界大戦に関連する番組がぽつりぽつりと出てきます。日本は、国民の多くが戦争を体験していない国で、また、戦争体験者から何かを聞き、学ぶ機会も少ないと思います。昨今、学校現場では、修学旅行などを通じて、平和学習を目的に、広島、長崎、沖縄へ出かけて、戦争の傷跡を、戦争の犠牲者の声に耳を傾ける機会がでてきたように思いますが、それでもまだまだ何も理解できていないのに等しいように思います。

 今日の番組の中で、こんな発言がありました。
「歴史なんて、年号はどうでもいいんです。年号は紙をみれば書いてあるから。それよりも、どういうことが起こったのか、その内容を理解することが大事なのです。」

 心に重くのしかかる言葉でした。

 受験勉強では、とかく語呂合わせをしてまでも年号を暗記することが重要であって、事件、出来事の内容そのものを深く理解する歴史の学び方ではないと思います。「年号よりもその内容を理解することが大事」とは、今更ながらに、物事の神髄に触れた気がしました。

 
 管理人にとって身近な国、インドネシア。この国も、第二次世界大戦中、日本軍との関わりで、さまざまな体験をしたアジアの国の一つです。

 もう15年以上も前のことですが、義姉が、なぜか思い出したように、まるで機関銃のように言葉は発しました。

 「日本が占領していた時代、日本人はとにかく残略だった。日本人は野蛮だ。日本人はオランダ人と違って、やることがまるで非人間的だ。私たちは親世代から、そういう体験をたくさん聞いている。」
と、目をつり上げてしゃべりまくっていました。

 あまりの剣幕に、何をどうしてよいのかわからない管理人を見た彼女の叔父は、
「そんな昔のことを、罪のないこの人にそんな言い方はないだろう。彼女だって、知らない時代の話だし、彼女を責めてどうなることでもない。第一、お前自身が経験したことでもないだろう。」
と、たしなめてくれました。


 ほっとした瞬間でした。しかし、この二人のインドネシア人の姿勢を見て、管理人は、それまでいかに自分が祖国の歴史に対する理解がなかったか、知識がまるでないことを思い知らされた瞬間でもありました。


 歴史は、それを見る視点や立場によって、多様な見解があって当然ですが、しかし、物事の真理と真実は二つないと思います。

 
 この夏も、インドネシアに滞在する予定ですが、静かに冷静に歴史を見つめてみようと思います。