インドネシア語で書かれた植物の本を読んでいて、へ〜〜〜っと今更ながらに思った椰子の木。椰子の木は、高さが30メートルに達する木で、大きく生育状況がよい木では、枝ごとに2つから10個の実をつけるのだそうです。
普段何気なく眺めている椰子の木ですが、椰子の木はその全体をほぼあますところなく活用できる木なのだそうです。
日本人にとって一番知名度が高い部分は、椰子の実でしょうか。ココナツジュースとかココナツの果肉を使ったお菓子は、日本でももはや珍しいものではなくなっていますね。
たまにイベントなどの屋台で売られている「ココナツジュース」。インドネシア語では、santanと言いますが、インドネシアの人はsantanをそのままジュースのように飲むことは普通しません。料理に使ったり、お菓子に使ったりします。水のかわりにsantanで炊いたご飯、カレーのような煮込みに使われるsantan、肉などの下茹でに使われるsantan。
もう二十年以上も昔のことですが、管理人はインドネシアの僻地中の僻地で生活したことがあります。そこでみたもの。ココナツミルクの作り方とココナツオイルの作り方。
椰子の実の中心部にある白い果肉をすり下ろし、水につけてもみ洗いします。そして絞りとったのが、あの白いココナツミルク。その絞り汁をぐつぐつゆで続けると、水と油に分離。油分を救い取れば、それがココナツオイル。
台所を見ると、椰子の外側部分の繊維質が、たわしの役割。う〜〜〜ん、すごい。ナイロンたわしじゃない!かめのこたわしじゃない!椰子の果肉を包む薄い殻の部分は、半分に切ってたわし入れ兼洗剤入れ。プラスチックケースじゃない!
村人の高床式住居。建築材料はやはり椰子の木を製材したもの。板状にして壁にしたり床にしたり。クロスじゃない!
家の屋根。これまた椰子の葉を重ね合わせた櫛のようなものを屋根材に。瓦じゃない!
ところでインドネシアの食堂を観察すると、炭火焼ならぬ椰子殻焼きで肉や魚を調理して出す店が多いです。椰子の実の外側の部分は結構分厚くて、乾燥させれば炭のように使えるのです。
こうして見て行くと、本に書いてある通り、椰子の木は本当に有益性が高い木だと思います。