アジアな空間

日常の出来事や、アジアに関することを書き綴ります。

アジアな空間 その627 派遣教師 の巻

 クローズアップ現代「広がる“派遣教師”教育現場で何が」が放送されました。私立高校の教員採用のスタイルの1つに、派遣会社から派遣されてくるいわゆる派遣教師というものがあります。
 派遣教師の他にも、非常勤の教員が授業を担当するケースもありますが、非常勤の教員は主に、学校が直接、募集して面接や試験を実施して採用するもので、派遣教師とは採用のされ方が違います。

 さて、番組では派遣教師が多いから学力が伸びないというような言い方をしていますが、本当にそれだけが学力不振の原因なのか?管理人はおおいに疑問を感じます。

 派遣教師や非常勤の教員の中には、専任教員以上の能力、キャリア、社会経験を持っている人物も少なくないと思います。これは管理人の経験上そう感じていることですので、一般化できるかどうかといえば、要調査といったところですが。

 そもそも学力不振に陥る原因は、高校段階から始まったことではなく、小中学校時代にすでにその子達に起こっている現象であって、高校で教員が派遣だから、非常勤だから生徒の成績が伸びない、大学進学率も下がるという考え方は、あまりにも短絡的だと思います。確かに、中にはあまりにも専任教員が少なく、派遣教師や非常勤教員で授業をまかなう場合に、生徒が質問したい時に先生がいないというケースは、生徒達にとってはかなりのマイナスですが。

 もっといえば、そういう採用形式を選択せざるを得ない学校というのは、そもそも成績を伸ばす工夫が今ひとつ足りなかったり、その学校の教育方針や特色に魅力がなかったりという部分がかなり大きな影響をもたらすのではないか、と思います。結果的に、年々受験生確保に苦しむことになり、慢性的に入学者数が定数割れする、文科省からの助成金が減額される、最終的には経営難に陥るという連なりがあるでしょう。

 学校を閉校させないために、経営面で経費削減となれば人件費をどうにかしなくては、と考えるのは、そこが教育の現場、学校といえども、私立学校も民間企業と同じことです。
 突発的な出来事により教員に欠員が出たために、派遣教師や非常勤k教員を採用するケースは別として、経営難由来の派遣教師、非常勤教師の採用が多い学校の場合、どうあがいても、現状改善、打破の道はほど遠いところにあるような気がします。

 少子化が進み、今までの数ほど学校が必要なくなっているにも関わらず、学校の数はそのままなわけですから、普通に考えれば競争原理が働いて、ダメな学校は淘汰されていくのは当たり前なのです。あの手この手で生き残りを考える学校の立場もわからなくはないのですが、そのために、生活が不安定な教員が増えていくのも、これまた問題。

 キャリア教育と称して、進路や生き方を考える指導を行う教員自身が年単位の雇用契約で、極めて不安定な状態。そんな人が、どうして生徒に職業観や人生観をとけるのか?滑稽な絵です。

 派遣教師でも非常勤教員でも、本当にその学校が学力向上を目指すなら、契約内容そのものを見直すべきです。授業だけを任せる現状の契約内容では、授業の直前に出勤、授業が終われば退勤するのは当たり前です。
 安いというだけで飛びついてはみたものの。。。。が、じょじょに危機感を募らせている?

 教育に本腰を入れない国の将来は、明るくないです。