アジアな空間

日常の出来事や、アジアに関することを書き綴ります。

アジアな空間 その55 迷惑と感じる境界線は?恥ずかしいと思うことは? の巻

 昼、管理人は地下鉄に乗りました。車内に入ったとたん、何か酸っぱいような、ツーンとするような変わった臭いがしていました。

 管理人の向かいに座っていた中年女性が、マニキュアを塗っていました。揮発性物質が狭い車内に充満しているのです。すると、横に座っていた60代の男性が、
「それ、家でやって。くさい。」
とやわらかい口調で注意しました。

 中年女性は、
「これ?だめ?この臭いだめ?」
と言っていました。
「だめかどうかじゃなくて、臭いから迷惑。体にもよくないよ、そういう揮発性のものは」
と男性は続けました。

 どう考えても、密閉された空間でマニキュアを塗るとは恐れ入りました。

 かくいう男性は、座席を移っていきました。しかし、移った先で彼がやっていたことは?
 なんと、英語誌を音読していました。
「声に出して読み上げることも迷惑でしょう?」
と管理人は内心思いました。


 電車では乗客たちがいろいろなことをやっています。化粧もそのひとつです。管理人の友達が、
「たまに眉毛をかいている人いるけど、ゆれたらどうするんだ?」
と思うと言っていましたが、ゆれたらよりも、家ですべきことを公共の場でどうどうとやっているということは、「恥ずかしい」と思っていないからでしょう。

 大学生が一人で昼食をとるのを人に見られるのは恥ずかしい、だからトイレの中でものを食べる、という話がありますが、管理人にとっては、一人で食事をすることよりもトイレで食事をしたり、ものを食べることのようがおかしいように思います。

 一人一人で価値観や感覚は違うのですが、今の日本は、多くの人が共通して感じる「迷惑」や「恥」というのが欠如しているように思います。

 化粧といえば、インドネシアでもたまにみかけます。店員さんが暇にまかせて、椅子に座り込み、アイメイクをしている姿。完全に恥ずかしい、サービス業に従事していることを忘れて、自分の世界に入っています。

 若い世代は、国が違ってもおおむねこんな感じなのかな?