アジアな空間

日常の出来事や、アジアに関することを書き綴ります。

アジアな空間 その530 思い出探しの旅 の巻

 ジャカルタインドネシア共和国の首都。首都といえば、ほとんどの国では外国人観光客がいて当たり前のようなもの。しかし、ジャカルタに限っては、そうではなさそうです。
昔から思っていました。
ジャカルタは観光地ではなく、ビジネスの舞台だなぁ。。。」
20年以上も前に思ったことが、今もそのまま通用するような気がします。

 ジャカルタには観光スポットがないのか?確かにインドネシア唯一と言ってもよいバリ島と比較すれば、インドネシア国内にはバリ島と匹敵するような観光スポットを有する場所はないと思います。ジャワのボロブドゥールやプランバナン遺跡は、そこだけが観光地のようなもので、他にいろいろまわってみようというほど、行く場所がなさそうです。せいぜい王宮をみるくらいか?


 ところで、話はジャカルタの観光に戻りますが、どうしてジャカルタが観光地の機能を発揮できないのか?管理人なりに考えてみました。

 管理人の好きな場所の一つが、ジャカルタ北部のKotaという地域。古いオランダ時代の香りと中華街が入り交じったインドネシアでは異空間的な存在。このKotaにはいくつかの博物館がまとまってあります。代表格がジャカルタ歴史博物館。その両脇には、ワヤン(影絵)博物館と陶器博物館があります。それぞれの博物館への移動は徒歩5分もかからない。そして、オランダ時代の建物の雰囲気そのままのカフェ バタビア。ここでお茶を飲んだり食事ができる、そんな空間が管理人は昔から大好きでした。ジャカルタでどこに行かなくても、ここだけは行きたいと思う場所です。人に疲れた時、1人になりたくて来る場所もここだったように思います。


Cafe Bataviaの店内。今までいつ行っても店内が混雑していたり、騒がしいことがありません。落ち着いた空間です。


 Kotaの少し先に、MONASという独立記念塔があり、その近くには国立博物館があります。どちらも一度は行ってみるべき場所だと思います。


MONAS。平日にも関わらず地元民でにぎわいがありました。



 ジャカルタは博物館の宝庫。なのになぜ外国人観光客を集められないのか?それは、まずジャカルタは移動するのにとにかく時間がかかる場所。なぜか?交通渋滞だからです。車で移動するのにもかなり疲労感が襲ってきます。そしてやっとの思いで目的地についても、午後3時閉館と言われると、ここでまたどっと疲れます。公営の施設は閉館時間が早すぎます。これでは労多くして見られる場所をいくつも回れない。


 今回は30年ぶり近くでMONASに行ってみようと思い立ち、せっせと出かけて行きました。一回目は休館。そこで翌日はやっていると言われたので何時までか?と聞くと4時というので午後3時半頃に行きました。しかし!閉館。なんと午後3時閉館で、職員は掃除をして帰るのだそうです。情報が不確かすぎる。これでは観光どころではありません。少なくても夕方5時くらいまではやってもらわないと。。。三度目の正直とは言いますが、管理人はもう三回目を諦めました。どうせ行っても、また長蛇の列で炎天下延々と外で並ぶ?やめた、やめた!の気分です。朝8時開館だそうですが、それにあわせて移動しようとすると、今度は目抜き通りを通過する場所にホテルが多いため、3in1にひっかかり1人では移動できません。要するに、渋滞緩和策で朝の通勤時間帯は一台の車に3人以上乗車していないと通れない規制があるのです。かといって、道ばたに立っている「ジョッキー」と言われる人数あわせの為に一緒に乗ってくれる人を車に乗せるのも怖い。

 そんなこんなで、ジャカルタが外国人観光客を集めるのは難しい気がします。先にあげた観光地は、国内観光客でにぎわっていますけど(笑)。

 ところで、今朝の地元経済紙ではインフラ投資が伸びているという見出しがありました。交通インフラを中心に、もっと安全で確実に移動できる手段が確保されれば、だれでも気軽にジャカルタの価値ある見るべき場所を訪問できるようになると思います。でも、そのために古き良きものを壊して新しいものと置き換えるのでは意味がありません。

 今後もジャカルタに来て、定点観察をしてみたいと思います。