ある言語の勉強会で、参加者がつぶやきました。
「この本、使える何々語ってなてるじゃないですか。でも、俺、本当は使えるじゃなくて、使いたい何々語というのが欲しいなあ」
その男性は、そのつぶやきどおり、せっせと自分がその国に行ったら使いたい言葉やフレーズを質問していました。横で見ていた管理人は、はっとしました。
「本を書くほうは、その言語が使えるようになるよう、あれこれ考えて書くけれど、必ずしもユーザーが使いたいものと一致しないんだ・・・。」
と。
文法解説の本であれば、使えるか、使いたいかはあまり気にせず中身を組み立てられますが、会話の本などは、確かに初心者がその国へ行って使いたいと思う場面と、それに関する単語やフレーズを考えるのは難しいです。
ちなみに、その男性は、
「美味しそうに見える」
「(値段が)高そうだ」
というような、感覚的な部分から出てくる表現を好んで勉強していました。
「向こうにいって、何か食べた時に、食べてから美味しいというよりも、食べる前に美味しそうだと言った方が、相手も嬉しいじゃないですか」
と。なるほど・・・。
管理人もこれからは、あえて自分が持ってない言語能力の国や地域に出かけていき、
「あぁ〜、こういうことを言いたい」
という自分で自分の取材日記から書き始めようと思います。