アジアな空間

日常の出来事や、アジアに関することを書き綴ります。

アジアな空間 その32 私の村は家族の誰かが必ず外国で出稼ぎしています の巻

 バス停でバスを待っていたら、中国人留学生が「先生!」と声をかけてくれました。偶然、同じ方向へ行くことがわかり、バスの中でいろんな話をしました。

 「私の村では、必ず家族の誰かが外国へ出稼ぎに行っています。お父さんかお母さん、あるいは両親二人とも。だから、学校の保護者会に行くのは、両親のどちらかではなく、祖父母やおじ、おばたちです。」

 「どうして出稼ぎするの?」
と聞くと、
「そうしないと生活できないです。地方は給料が安い。かといって物価が同じように安いのかというと、案外そうでもない。春休みに私が帰省した時、びっくりしました。日本の銭湯のような公衆浴場があるのですが、そこでお風呂には入ると1人1000円くらいですよ。日本でスーパー銭湯に行っても600円とか700円とか、そんな程度じゃないですか。中国は日本より所得が少ない人が多いのに、1000円で風呂には入るというのは不釣り合いですよ。」
と言うのです。

 その学生の話を聞いて、インドネシアでも同じような現象がそこかしこにあると思いました。月収が5000円だ、1万円だという人がたくさんいる中で、ごく一部の人は百万円単位、一千万円単位、さらには億単位でお金を動かす人もいる。自分がどの階級に身を置くかによって、生活にかかるお金は桁が違ってきます。

 日本では、これに関してはおおむねこのくらい、この商品なら、どこでも大体このくらい、という目安がありますが、インドネシアではそれがあるようで無いと思います。おそらく中国も似たような環境なのでしょう。

 さて、その留学生は来春の卒業を控え、日本で就職しようと就職活動中のようです。
「先生、日本はホントに採用人数が少ないです。景気が悪いとはいいますけど、ここまで厳しいとは思いませんでした。私は外国人ですから日本人より不利な面がありますが、でも、私は日本語の他に中国語はもちろんですが、ハングルもできますので、それをいかして何か仕事につけないかと考えています。」
と、話してくれました。

 日本人も外国人も、この日本で仕事探しをするとなると、かなりハードルが高いようです。早く景気回復して欲しいですね。