アジアな空間

日常の出来事や、アジアに関することを書き綴ります。

アジアな空間 その793 日本語をテーマに論文を書く の巻

 最近、インドネシアで日本語を専攻する学生から、卒業論文のテーマの相談を受けています。最初は、オノマトペについてでした。日本語のオノマトペインドネシア語に訳してみようと思ったようです。これは一見面白い試みですが、オノマトペの語彙数が、日本語とインドネシア語では比べ物にならないほど、日本語のオノマトペは豊かです。
 先日、彼女と話しました。
「例えば、雨の音。日本語にはいろいろな雨の表情を伝えようとする言葉がある。インドネシア語ではどう?こういう雨の音は?こっちは?」
 彼女は考え込みました。
「風の音。風も吹く強さ、それによって影響される周辺の様子なども含めて、いろいろな音として表現される。インドネシアで、あるいは、自分の生活環境ではどのくらいの風の種類があるかな?」

 すると、数日後、彼女は、
「英語に訳されたものを参考にしながら、インドネシア語に訳してみる」
と言ってきました。管理人は、内心、英語に訳された時点で、もはや原語がもつ趣が失われていると思いました。さらにそれを別の言語に訳す・・・。ちょっとどうかな?

 しばらくすると、今度は、
「日本語の短編物語、小説、歌で、比喩表現が多用されているものって、どんなのがありますか?」
と聞いてきました。比喩が多用されていると言われても、簡単に答えられないですよね。
 どうやら彼女は、オノマトペを諦めて比喩表現にテーマを求めようと考えた様子。

 これもまた難しいよね。比喩も、その言語ならではの喩えであって、日本で生活したことがない外国人が比喩を研究するのはすごい大事のような。。。。(笑)。

 興味関心の芽を摘み取るつもりはないのですが、ちょっと卒業論文程度の研究テーマとしては、難題のような気がします。

 管理人としては、日本の昔話はなぜ強烈な終わり方をするのか?とか、日本の漫画がインドネシアで大ブレイクするのはなぜか?とか、比較材料が身近にあるものを取り上げた方が、面白そうな気がします。