アジアな空間

日常の出来事や、アジアに関することを書き綴ります。

アジアな空間 その1464 北緯40度の町 秋祭り の巻

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 この週末は北緯40度の町、岩手県岩手郡岩手町の秋祭りを堪能しました。先月下旬に、この秋祭りのことをやや詳しく知る機会があり、新しい興味がわき、行ってみようと思ったのです。

 

 北海道に次ぐ面積を有する北東北に位置する岩手県は、昔の藩を当てはめると、県南地方は伊達藩、県の真ん中あたりから以北は南部藩、県庁所在地盛岡市南部藩。今回の秋祭りの舞台は盛岡市より北にある県、郡、町ともに「岩手」がつく全国的にも珍しい町です。全国的に有名なものといえば、ホッケーの強豪校がこの町に数校あることでしょうか。

 

 さてこの秋祭りは、南部式の祭りで盛岡以北で最大の規模を誇る祭りだそうです。確かに今回も5台の山車が出ていました。小さな地区ごとに山車を作り、お祭り期間中は町の目ぬき通りを練り歩くのです。秋祭りでは、郷土芸能が秋の便りを伝えます。

 この祭りは神事であり、祭りの初日の「お通り(渡御)」と最終日の「お還り(還御)」は、手木、社名旗、巫女、塩湯、大麻、榊の枝、吹き流し、太鼓、天狗、天狗の音も、赤旗、大榊松、初穂箱、初穂受、御神馬、十二支、小榊松、御神輿、宮司が列をなして行きます。

 神社に関わるものの間にこの地域の郷土芸能が入り、華やかであり、しかし凜とした秋の光景です。

 

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 静かな東北の田舎の町が、一年のうちで最も華やであり、しかし厳かな空気に包まれる3日間なのかもしれません。古くから農業中心の町ゆえに秋の刈り入れのあと、神の恵みに感謝を捧げる。この祭りが伝承されれ続ける由縁でしょうか。

 

 今回、これはすごい!と思ったのは、この狭い地域に随分多くの郷土芸能があり、それを伝承していることです。祭りの中心となる地区には、短距離圏内に「七ツ踊り」「駒踊り」「獅子踊り」があり、それより少し外側に位置する地区に「川口神楽」「浮島念仏剣舞」岩瀬張長者の山」、この他にもまだいくつかあるようです。

 

 地域に伝えられる文化の伝承と継承は、いうほど簡単なものではなく、若者が少ない地域では深刻な問題だと思います。この町も、子供の数は減少しているようですが、大人と子供が一緒になって伝統芸能の保存に取り組む姿勢は、それを観る者の心を強く感動させるものでした。

 

 この3日間は、地域の伝統文化に触れるあまりにも贅沢な、そして深く考えさせられる秋の東北地方を堪能しました。