アジアな空間

日常の出来事や、アジアに関することを書き綴ります。

アジアな空間 その20122 チャグチャグ馬コ 馬と一緒に14キロを歩く の巻

 毎年6月の第2土曜日は、岩手県滝沢市にある鬼越蒼前神社から盛岡市の盛岡八幡宮まで農耕馬が煌びやかな馬具をつけて歩くチャグチャグ馬コというお祭りが開催されます。東日本大震災の年の6月に観に行きましたが、その時は盛岡市内の夕顔瀬橋という橋で馬たちが来るのを待って行列を観ました。

 今回は、スタート地点である鬼越蒼前神社から一緒に歩いてみようと思いました。というのは、神社から滝沢市役所の間にある田園風景の緑と馬が一番美しく見えるから、そしてその背景に雄々しい岩手さんが見えると言うことなし!だからです。

 

 前日の午前中に盛岡入りをして、午後からコースの下見に行きました。大体の撮影スポットをチェックしながら、どんな場所を通るのか予習しました。あいにく、東京を出る朝も天気は雨で、しかも雨脚がやや強く、新幹線で北上するも、天気はどこも同じように雨。チャグチャグ馬コの日は?と心配でしたが、前日に鬼越蒼前神社で準備をしている方に聞いてみると、

「雨が降ってもやるよ。馬もカッパを着てやるよ。」

と。ヒャァ〜〜〜、馬がカッパ。暑いだろうな・・・と心配になりましたが、実はこのチャグチャグ馬コの日は、絶対に雨が降らないという言い伝えがあり、管理人もそれに期待しました。

 

 果たして当日の天気は、というと言い伝え通り雨が止み青空が広がりました。盛岡駅から無料のシャトルバスに乗り鬼越蒼前神社へ。9時30分出発の馬の行列に間に合うよう、また前日、神社で準備をしていた方のアドバイスの通り、8時頃に到着するバスに乗りました。

 

 神社の前の広場では車で連れてこられた馬たちが、馬主やその家族たちによって煌びやかな馬具の着せ付けをしてもらっていました。

 馬の目が優しくて癒されます。

 

 

 着付けをしているところを見て回っていると、この女性が馬に話しかけていました。

「今日は最後まで頑張れよ。いいか・・・」

と。まるで我が子を送り出す母親のようです。そうです、愛情いっぱいに育て上げている証、感動的なシーンでした。

 

 着付けが終わると、馬たちは手綱を引かれて神社にお参りです。

 どの馬にとっても、この日が一年で一番晴れやかな日ですね。

 

 予定通り、9時30分に鬼越蒼前神社を出発!今回は64頭の馬が盛岡八幡宮を目指して歩き始めました。昔はもっとたくさんの馬が参加したのですが、今は農耕に馬を使うことはなく、この祭りのために飼育している馬主さんがほとんどのようです。費用もかかりますし、馬具もかなり高価なそうで、毎年手入れをするのにも資金が必要だそうで、次第に馬の数が減ってしまったのだとか。

 滝沢市だけではなく、盛岡市矢巾町からの参加で60数頭だそうです。

 

 

 岩手の春の緑と馬たちの煌びやかな衣装。なんとも言えない幸福な気持ちになります。

 

 

 盛岡市内に入ると風景はビルや住宅になってしまいますので、管理人にとってはあまり魅力がないです。でも沿道には、見物客がたくさん出ていました。

 

 夜にホテルでテレビニュースを見ていたら、追っかけをしている管理人がうつっていました!大笑い。母上は、

「あなたのことだから、ニュースに映り込んでいるじゃないのかな?と思ったわよ。」

と笑っていました。

 

 前日の下見は車でルートを通りましたが、歩いてみると、

「あれ?ここだったかな?」

と。というのは、ビルの間を歩く様子は見ても見なくてもいいかなと思い、馬の追っかけから、馬の出待ちにモードチェンジ。ルートを馬より先に歩いて先へ進みました。途中、警備をしている県警の方や警備会社の方に、道を確認しながら進みました。

「どこからいらっしゃったのですか?」

と聞かれ、里子は、

「神社から一緒に歩いてきました。」

と答えると、

「え〜〜〜〜、遠いじゃないですか・・・。いやぁ〜すごいですね。。。」

と。

 

 この日は気温も26度くらいまで上がり、太陽の下、テクテクと歩き続けました。

 

 

 この風景は、夕顔瀬橋という橋から見たものです。この橋を渡る馬の列は岩手山と一緒に撮影できるスポットなのですが、山側を馬が通り、山を見ながら馬もと思うと、手前に交通規制で止まっている自動車が邪魔。かなり残念です。というわけで、うまく写真が撮れなくてがっかりでした。

 

 何はともあれ、このお祭りは絶対に伝承してほしい世界に誇れるお祭りだと思います。盛岡はニューヨークタイムズで訪れるべき街の世界2位になったことで、観光客が大勢。管理人が乗った新幹線でも、盛岡で降りた客がずいぶん大勢でした。仕事を終えて最終の新幹線でやってきた里子を盛岡駅に迎えに行ったら、その新幹線からもどんどん人が降りてきました。

 里子は、2泊3日の盛岡の旅で、盛岡にハマったようです。特に滝沢市の田園風景を見て大興奮。馬に触ってみたかったと、もう少し残って観光したい、と名残惜しそうでした。

おかしな表現ですが、盛岡という街は人を魅了する魅力だらけの街です。

 

 夏、秋の観光は、ぜひ岩手県盛岡市へ。そしてその周辺の地域にもぜひ足をのばしてください。