アジアな空間

日常の出来事や、アジアに関することを書き綴ります。

アジアな空間 その41 80后(パーリンホウ) の巻

 中国で一人っ子政策がとられていたことは、今さら目新しいニュースではありません。しかし、この一人っ子政策によって生まれてきたいわゆる一人っ子たちが成長して、大人の仲間入りをした現在、中国ではこれらの人々を80后と呼ぶようになりました。

 子どもが多い中国のそれまでの家族構成から一転して、夫婦に一人の子どもという家族構成の中で、この一人っ子たちは、両親、祖父母たちの期待を一身に浴びて育った世代。

 一人の子どもを、両親はじめ祖父母など多くの大人がみんなで見守る環境は、一見よさそうに思いますが、今、彼ら80后が抱える不安の一つに、高齢者の老後の面倒はどうするのか、があると言われます。

 日本でも介護問題は深刻で、家族だけではもはやできない、かといって介護保険の適用範囲だけでは高齢者が安心して生活していかれるるか、など、不安や悩みは次々にやってきます。さらに、この少子高齢化社会の日本では、独居老人の問題もあります。

 中国では、家族が高齢者の面倒をみようとしても、一人で両親二人、結婚していれば夫婦で4人の高齢者を世話しなくてはいけません。さらに、中国でも長生きな人が増え、高齢者問題は80后にとって、あるいみ深刻な問題です。

 中国人は、介護というものを職業にしようと思わないと聞きます。介護の専門知識を学んでまで、人の世話をしようと思わないというのです。一方で、介護のシステムを作ろうと動き出している80后もいるようです。
 
 経済発展が急加速度で進む中国ですが、人口抑制の次に直面しなければならないのが、この高齢者問題なのかもしれません。

 ところで、インドネシアも人口が世界の上位にランキングされる国です。インドネシアでは、強制的な産児制限はなく、子どもは一組の夫婦に二人が望ましいというKB(Keluarga Berencana:家族計画)プログラムを展開しています。その効果あってか、今はあまり兄弟が5人、6人という若い世代が少なくなったように思います。
 インドネシア人は高齢者問題を意識しているのでしょうか?管理人の主観ですが、あまり社会的な問題になっていないような気がします。家族、身内の高齢者は、面度をみれる家族や身内が互いに都合しあってするからです。有産階級の人たちの中には、寝たきりや病気の高齢者が家族にいれば、その人専属の介護の家政婦を雇う場合もありますが、多くのインドネシア人は、親や祖父母の面倒は、その下の世代がするのが当たり前だと思っています。

 家族のありのままを受け入れて、できる人ができる範囲で、互いを理解しあって行う高齢者の世話。インドネシアはそういう面では理想的な社会のような気がします。