アジアな空間

日常の出来事や、アジアに関することを書き綴ります。

アジアな空間 その42 ビタミン信仰@インドネシア の巻

 インドネシア人は意外や意外、サプリメントにかなり関心を持っているような印象を受けます。一番驚くのは、妊娠したとわかると、せっせとビタミンCやらビタミン剤を飲み始めます。意味があるのか?しかし、産科医さえも、定期検診では妊婦にビタミン剤の処方をします。

 ですから、日本で妊娠したインドネシア人女性は一様に、検診で医師にビタミン剤の処方を希望します。しかし、日本の医師は、
「妊婦さんにビタミン剤を処方する必要がないのと、かえって危険な場合もあるので出しません」
と言います。
 これは、これまで何度か妊婦さんの医療通訳をして知ったことです。

 さて、今朝インドネシアの民放 MetroTVの朝の番組で、日本の某製薬会社のビタミンCを多く含むドリンクをはじめ、各種ビタミン剤ドリンク商品をディスプレイし、日本人の某プロフェッサーが出演して、ビタミン摂取がいかに重要で必要かを説明していました。
 「人間は、他の動物のように自分の体内でビタミンを作り出すことができないので、外から摂取しなければなりません。。。。。」

 司会者やゲストたちが、どのくらいの量が必要か?と質問すると、
「例えば象はこのくらいの量を体内で作り出せる、他の動物はどのくらいできる、というのがわかれば、体重と比較して、人間の場合はどのくらい必要かがおおよそわかるのです。。。。」
と説明し、一日に約2000mgが必要だとおっしゃっていました。

 十分な食事ができない環境の人が、高額なサプリメントや栄養ドリンクを買えるわけがない。一回や二回、それも忘れた頃にたまに買って飲んでも意味がない。栄養様態が良く、経済力がある人が、あえてサプリメントを使う必要があるのだろうか?
 
 販売促進活動は大事ですが、インドネシアの場合、まずは国民が必要最低限の栄養を確実に摂取できるような環境を作り上げないとダメだと思います。つまり、福利厚生など社会保障制度を整備、充実させ、学校教育もより条件や環境整備に力を入れ、生命維持のための知識を持った国民を育てないと、薬があってもサプリメントがあっても、すべて絵に描いた餅になるだけのような気がします。