アジアな空間

日常の出来事や、アジアに関することを書き綴ります。

アジアな空間 その10 フィリピン料理の巻

 今から25年ほども昔、管理人は初めての海外渡航をしました。目的地は、フィリピンのマニラとバギオ。初めての外国旅行でしたので、成田を出る瞬間から緊張のしっぱなし。

 無事マニラに到着。行く前に、東南アジアの様々な空港でのあれこれを聞かされていたので、管理人は戦々恐々としていました。しかし、今にして思えば、なんとものどかな雰囲気だったのかもしれません。

 マニラではホテル オーレリオが宿泊先になり、バギオでは、ある銀行の頭取をしているサントスさんのお宅にホームステイしました。

 1週間ほどの滞在で、食べるものが口に合わず、泣きそうでした。何があわなかったのか?今、思い出そうにも、思い出せないのですが、とにかく料理が独特のにおいがしていることや、それまでは味わったことが無いやけに甘さがある料理だったことを覚えています。

 そんなフィリピン料理との出会いでしたから、自分にはフィリピン料理は合わないものだと決めつけ、以来25年もの間、フィリピン料理には見向きもせずに過ごしていました。

 数年前、フィリピンの女性と結婚している日本人の男性と知り合い、少しずつそのご夫婦と親しくなりました。昨年の暮れに、お宅にお招きいただきました。
「家内がフィリピン料理を作りますから。。。」

 内心、
「え?どうしよう。食べれないのが出てきたら。」
と不安でした。

 ところが、そのお宅で用意された料理は、どれも25年前に口にしたフィリピン料理とは違うものばかりでした。

 話を聞くと、スペインの植民地だったことにより、ヨーロッパの影響を受けたフィリピン料理が結構あり、それは日本人の好みにも合っている場合が多いというのです。

 なるほど、ビーフシチューのような料理や、マカロニを使ったものがあり、言われなければ、それがフィリピン料理だとは思わないようなメニューでした。

 一つだけ、
「これはフィリピン料理だ。」
と思うものがありました。豚肉のアドボです。豚肉を酢、醤油、砂糖、ハーブで煮込んだ、いわばフィリピン版の豚の角煮といったところでしょうか。これはおいしかったです。

 25年前と今では、管理人の味の好みが変わったのか、それとも25年前には出会わなかったフィリピン料理の味だったのか、いずれにしても、一度ダメだったから、二度とトライしないというのは、もったいないことだと思いました。

 都内には、いろいろな国の料理を出すレストランがありますが、フィリピン料理のレストランをあまり見かけません。なんだか残念です。

 25年後に期せずして再会したフィリピン料理ですが、これをきっかけに、今まで苦手だったことにトライする勇気が出てきました。