アジアな空間

日常の出来事や、アジアに関することを書き綴ります。

アジアな空間 その154 Inilah keluarga besar katolik di Babakan, Canggu Bali の巻

 バリ島南部のチャングウという地域で、昨日、カトリック教会のフランシスコ会という修道会の司祭に叙階された新しい司祭の初ミサが行われました。
 以前、管理人がお世話になった方の従兄弟にあたる方が司祭となって、メキシコへ宣教師として派遣されることになりました。
 このチャングウという地域には、結構多くのカトリック信者が生活していて、昨日の初ミサは、当然、村をあげての大きなイベントでした。


 管理人の知人が、このミサにはぜひバリの民族衣装を着てほしいといい、管理人の分を用意してくれていました。ジャワやスラウェシの民族衣装は持っていますし、何度も着ていますが、バリの民族衣装は初めて。キャァ〜、レースのスケスケっていうのはちょっと。。。と抵抗がありましたが、周りが全員そういうスタイルでしたので、ちょっと安心。


 ミサに先立って、村人達総出で祝賀行列です。出発地点は司祭の生家、目的地は教会です。最初はそれほど大勢の行列という感じはしませんでしたが、気づいたら先頭が見えないほど長い長い行列になっていました。ガムランの生演奏舞台を率いての大行列。管理人もとうとうガムランの行列構成員デビューしました。


 どんどん列が長くなったのは、ガムランの音を聞いて家々から信者さんたちが出て来ては列に加わるからでした。

 大イベントの開幕です。


 ミサは、ガムラン音楽に合わせて入祭、途中途中で部分的にガムラン音楽が使われ、他はオルガンでした。驚いたのは、キリエ、グローリア、サンクトゥスなど、主要な部分はすべてラテン語でした。ラテン語ミサに慣れていない管理人は、たどたどしい、いやかなり怪しいラテン語でやっとこさ、ついていく感じでした(涙)。

 このミサは、ヨーロッパから入って来たカトリックというキリスト教が、長い年月を経た今、この地域の人が代々伝承してきた土着の文化をふんだんに取り入れたもので、東西が嫌みなく融合したかっこうになっていました。このようなことは、日本のカトリック教会ではあまり味わうことができないことで、長い歴史を持つインドネシアのバリ民族の底力を見せつけられた思いでした。


 考えてみたら、日本のカトリック教会で大きなミサが行われる時、音楽を尺八や琴、雅楽の楽器でやってみようという発送は、あまり無いように思います。でも、バリ島では、ミサの音楽を自分達の民族の誇り、ガムランでやってみようというのですから脱帽です。


 ミサの後は、祝賀会でした。料理が並び、民族舞踊や歌の出し物があり、とにかく盛大な祝賀会でした。質素な村の大きなお祝い。準備にはかなりの労力を費やしたと思いますが、疲労感以上に達成感と喜びに満ちあふれている人々の様子は、何でも簡略化したがる日本が失ったものを再確認させられたような気がしました。


 昨日は、この夏のバリ島滞在で2度目の大きな恵みを味わった1日でした。


新司祭ヤコブス神父の生家前で行列の出発を待つガムラン


ゴンが3台。この行列では、竿を肩にかけての演奏でした。重たそう。。。

列の先頭が見えません。