アジアな空間

日常の出来事や、アジアに関することを書き綴ります。

アジアな空間 その495 都会のバス停で の巻

 夕方、雨が降っていたのでバス停に向かって歩いていたら、1人の高齢者の男性が手を振って声をかけてきました。

「ねねね、今、何時ですか?」

 なんでも散歩中に雨が降り、傘がなく歩いて家に帰れないのでバスに乗りたいのだとか。でもバスの本数があまり多くないと思ったのか、時刻表を見て今何時か?と知りたかった様子。ご自宅からかなり遠く離れた場所のバス停なのに、時計も持たずに散歩をする?ちょっと変。

 すると、その男性は管理人を相手に、まるで志村けんのようなトークを炸裂。バスが来て、バスの中でも同じ調子で喋る、しゃべる、シャベル。。。。

 「散歩って本当はよくないって、新聞に医者が書いてた。ほら、最近俳優のちいさんって死んだだろう。あの人、歩くってのはとんでもないことだって医者が書いてた。心臓悪いのにたくさん歩いちゃいけないんだっって。ちいさん、あちこち毎日あるってかもんなぁ。。。何が健康にいいのかわかんなくなっちゃうな。私も歩かない方がいいかな。でも歩くとさ、自分が無になって気分転換ができるだろ。家にいると悶々としちゃってさ。」

 「・・・・・・・・」(管理人)

 「でもさ、やっぱり歩かないのがいいかな。」
 「朝起きていきなりはおやめになった方がいいかもしれませんね。でも夕方、ゆっくりとなら。」(管理人)

 「夕方か?そうか。そうだな。夏は暑いしなぁ。。。なぁ〜。」
 
 「暑い時もおやめになった方が。太陽にあたるだけでも疲れますよ。」

 「そうなんだよなぁ。暑いと疲れるんだよなぁ〜・」

 やっとバスが目的地に付き下車。その男性も降りて、別の路線に乗り換えるのだとか。信号待ちをしていても、志村けんトーク炸裂。

 やっと信号が青になり、歩き始めて、
「それではまたいつか、どこかで。ごきげんよう〜」
と言うと、その男性は、
「そうなんだよなぁ〜。そんなもんだよな、人生は。奥さん、駅の階段滑るからね、気をつけてよね。」

といって、やっと解放されました。


 管理人は、ここは東京?と思ってしまいました。もしかしたら、この男性は独居なのかな?話したい高齢者は、案外多いのかもしれません。