今朝のNHKの番組「明日へ支えあおう」で、「岩手県宮古市 〜三陸鉄道を襲った大津波〜」が放送されました。
http://www.nhk.or.jp/ashita/bangumi/
三陸鉄道は旧国鉄の赤字路線で、現在は第三セクターとして岩手県の三陸海岸を走る単線の路線です。岩手県沿岸地域に生活する人々の足です。毎年1億円の赤字を抱える経営状態とも聞きますが、それでももしこの路線が廃止されたら困る人もたくさんいるのが、三陸鉄道の現状です。
管理人は、三陸海岸があの巨大津波に襲われる前に行ったことがありますが、正直な印象というのか感想は、
「海岸にこんなに近いところに住居があるけど、大丈夫なの?」
でした。
先の巨大津波では、集落ごと全部流され跡形もなくなったところもあるようですが、そんな被害を受けたのは、住居のみならず鉄道もそうでした。
三陸鉄道の社長は震災直後に、
「会社の存続意義を考え、本当にこの鉄道はこの地域に必要なのか?」
と自問し、自身で沿線の状況確認に出かけた先々で、
「ここでは鉄道が必要なんだ。」
と確信したと言います。
若者は車での移動ができますが、高齢者にとってそれは無理。移動手段は誰かの車で送迎してもらうか、バスか列車を使うしかない。若者といっても、子ども達も、三鉄によって高校進学が実現している現実もあります。
番組では、被災から復旧までの様子を描いていましたが、少ない社員と地方自治体、そして救援、復旧に総力をあげて動いた自衛隊の活動が紹介されていました。
住民に鉄道の存在ニーズがなければ、人の心を動かすこともなかったでしょう。赤字路線とはいえ、このような地方の小さな鉄道は、まだまだ日本でも人々の生活にはなくてはならない足です。
鉄の足は必要です。
現在はまだ全線が復旧していないようですが、いつの日か三鉄が南北で復旧したら、乗ってみたいと思います。