アジアな空間

日常の出来事や、アジアに関することを書き綴ります。

アジアな空間 その1585 これを社会の模範に の巻

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 日本ではほとんど報道されることがないインドネシアのコロナ感染状況。実は、3月2日に第一号、第二号感染者の発表が出て以来、どんどん感染者数が増え、また致死率も高いのです。インドネシア政府発表によると、2020年4月14日現在で、陽性診断が確定累計患者数は4839名、死亡者数は459名と発表されています。日本では、インドネシアより早くに感染者が確認され、昨日までに7645名の感染者数に対し、109名の死亡者数となっています。

 

 インドネシアでは、コロナ蔓延により様々な社会問題が怒っていますが、中でも深刻なのは医療従事者に対するハラスメント、そして患者やその家族に対する偏見、さらには死亡した患者の埋葬をめぐり、遺体の埋葬を拒否する住民運動

 

 先日、中部ジャワ州知事が、埋葬を拒絶する動きが度々起きていることに、州民向けにメッセージを流しています。

 

 そんな中、西スラウェシ州ルウという町では、先の動画のような光景が。

 その地域の感染者が、防護服を着たチームに救急車で病院へ搬送される様子ですが、他の地域と大きく違うのは、感染者に罵声を浴びせるのではなく、感染者に拍手で「頑張れ!」とエールを送り、この人の快癒を願って送り出す様子です。感染者もまた、勇気付けられて治療に向かっています。

 これはみならうべきという反応が。。。

 

 日本でもそうですが、一度コロナに感染すると、完治するまで誰にも会えない、場合によってはそのまま家族に看取られることなく一人で旅立ち、火葬が終わってやっと家族の元に返されるという経過を辿るようですが、インドネシアの場合、多くの人は宗教的理由で仮装はしませんので、埋葬も係官が立会い行うもので、身内が参列することは、ほぼないようです。

 

 日本では、医療従事者へのハラスメントをやめましょうという呼びかけがありますが、患者への偏見はどうなのでしょう。もし、インドネシアのようなことがあるとすれば、ルウの住民のように、治って帰ってきて!と励ます人になりたいですね。

 

 ルウのこの患者さん、どうか良くなって、再びこの地域に帰ってこれますように。そして、その時はまた、同じように地域住民が喜びの中でこの患者さんを受け入れでくれますように・・・。